家じまいくん

空き家補助金 全国47県 一覧|解体・改修・リフォーム・バンク登録の4種類を自治体例10件で整理 2026年版

空き家の解体・改修にかかる費用を圧縮する自治体補助金を、全国47都道府県の代表自治体ベースで整理。空家対策推進特別措置法を背景に、補助金4種類(解体・改修・リフォーム・空き家バンク登録)の違い、札幌・仙台・横浜・名古屋・大阪・神戸・福島・宇都宮など10自治体の解体補助金上限・補助率・要件、申請3ステップ、先着順・予算上限・工事業者指定など落とし穴を一次情報リンク付きで解説。

「実家を解体したいけど、150〜250万円は重い」「補助金が使えるって聞いたけど、自分の自治体にあるの?」——実家の解体を考えるとき、多くの方がまず気にするのが補助金の有無です。

結論を先に書くと、全国の市区町村レベルで空き家補助金は広く整備されつつありますが、制度の中身は自治体ごとに大きく違います。補助率1/3〜9/10、上限50〜150万円という幅広いレンジで、なおかつ「先着順・予算枠上限・着工前申請必須・市内業者限定」など共通の落とし穴があります。

この記事では、空家等対策の推進に関する特別措置法(国交省所管)を背景に、空き家補助金4種類の違い・全国47都道府県の代表自治体10件の解体補助金一覧・申請3ステップ・典型的な落とし穴を、家じまいくん独自集計データ(2026-05-14 公式サイト確認)を基に整理します。

47都道府県すべての代表自治体データは 2026年版 空き家解体費用 全国相場と47県補助金一覧(独自リサーチ) にまとめています。本記事はそのダイジェスト+補助金4種類の全体整理です。

【30秒サマリ】空き家補助金のポイント

  • 法的背景: 空家等対策の推進に関する特別措置法(2015年施行・2023年12月改正で「管理不全空家」新設)
  • 補助金4種類: ①解体(除却) ②改修・耐震 ③リフォーム(移住・子育て世帯向け) ④空き家バンク登録・成約
  • 解体補助金の中心レンジ: 補助率 1/3〜1/2、上限 50〜100万円。札幌の地域連携型 9/10×150万円、福島市の特定空家4/5×150万円など高補助率の例も
  • 落とし穴: 先着順/予算上限/市内事業者指定/着工前申請必須/解体後の固定資産税最大6倍化(地方税法349条の3の2
  • 補助金が無い自治体: 盛岡・水戸・福岡など解体専用制度を本データ確認日時点で公式サイト上に確認できない自治体もあるため、近隣市町村・県の制度も併せて要確認

それぞれを順に見ていきます。

空き家補助金とは — 自治体が空家対策推進特別措置法を背景に整備する助成制度

「空き家補助金」と一括りにされがちですが、実体は市区町村ごとに条例・要綱で個別設計された助成金です。

法的背景: 空家対策推進特別措置法

2015年5月に全面施行された空家等対策の推進に関する特別措置法(以下「空家特措法」)が、全国の自治体に空き家対策計画の策定と支援制度整備を促す枠組みになっています。

  • 2015年: 全面施行。市町村が「空家等対策計画」を策定可能に
  • 2023年12月: 改正法施行。「管理不全空家等」カテゴリを新設し、特定空家の手前段階でも勧告で住宅用地特例が解除される運用に

国土交通省は補助金そのものを直接交付するのではなく、**地方自治体への財政支援(社会資本整備総合交付金等)**を通じて、各自治体が空き家解体・改修への助成制度を整備するインセンティブを提供しています。

詳細は 特定空家認定の回避策 のコラムで整理しています。

補助金は「自治体ごとの個別制度」

そのため、国の制度として全国一律の「空き家補助金」は存在しません

  • A市: 老朽空き家解体 1/3×50万円
  • A市の隣のB市: 解体補助金なし(改修補助のみ)
  • 同じ県内のC市: 1/2×100万円、ただし市内業者施工に限る

——というように、同じ県内でも制度の有無・補助率・上限額・要件がバラバラです。自分の実家がある市区町村の最新要綱を直接確認することが大原則になります。

空き家補助金 4種類の分類 — 解体/改修/リフォーム/バンク登録

空き家補助金は大きく4系統に整理できます。

種類1: 解体(除却)補助金

老朽化した空き家の取り壊し費用を一部助成する、最もメジャーな制度です。

項目 一般的レンジ
補助率 1/3〜1/2(高補助率自治体で2/3〜9/10)
上限額 50〜150万円(自治体差大)
主な要件 1年以上未使用 / 1981年5月以前築(旧耐震) / 個人所有 / 市税滞納なし / 市内登録業者施工
申請タイミング 着工前必須(着工後申請は原則不可)

種類2: 改修・耐震補助金

空き家を再利用するための耐震改修・修繕に対する助成です。

項目 一般的レンジ
補助率 1/3〜1/2
上限額 30〜100万円
主な要件 耐震診断実施 / 1981年5月以前築 / 居住目的での再利用

種類3: リフォーム補助金(移住・子育て世帯向け)

移住者・子育て世帯が空き家を購入・賃借してリフォームする際の助成です。地方自治体の人口流入促進策と一体で整備されているケースが多く、補助上限が高めの傾向。

項目 一般的レンジ
補助率 1/2〜2/3
上限額 50〜200万円(子育て加算・移住加算あり)
主な要件 市外からの転入 / 一定期間の定住義務 / 子育て世帯

種類4: 空き家バンク登録・成約補助金

国土交通省 全国版空き家・空き地バンクに代表される、空き家のマッチングプラットフォームへの登録・成約に対する助成です。

項目 一般的レンジ
補助内容 登録奨励金(数万円)/ 成約奨励金(10〜30万円)
主な要件 空き家バンク登録 / 一定期間内の成約

この4種類のうち、本記事は「解体補助金」を中心に整理

「家じまい」の文脈では、解体補助金が最も需要が高くなります。改修・リフォームは「使い続ける」「貸す・売る」前提の制度ですが、家じまいの場面では「もう使わない・売り手も付かない・解体して更地化したい」というケースが多いためです。

解体後の更地活用は 実家解体後の更地活用方法 完全比較 を参照してください。

全国47都道府県 代表自治体 解体補助金 抜粋(家じまいくん独自集計・2026-05-14 公式サイト確認)

47都道府県すべてを掲載すると冗長になるため、ここでは 地方ブロック別の代表10自治体 を抜粋します。全47県データは 研究ページ で確認できます。

代表自治体 制度名 補助率 上限額
北海道 札幌市 札幌市危険空家等除却補助制度 通常 1/3 / 地域連携 9/10 通常50万円 / 地域連携 150万円
福島県 福島市 福島市空家等除却支援事業 特定空家等 4/5 / 管理不全 1/2 特定 150万円 / 管理不全 20万円
宮城県 仙台市 仙台市特定空家等除却促進補助事業 公式要綱要確認 50万円
栃木県 宇都宮市 老朽危険空き家除却費補助金 2/3 70万円
東京都 世田谷区(不燃化特区) 不燃化特区 老朽建築物除却助成 公式要綱要確認 床面積×27,000円
神奈川県 横浜市 住宅除却補助制度 公式要綱要確認 50万円(昭和64年5月以前)
愛知県 名古屋市 名古屋市老朽危険空家等除却費補助金 1/3〜2/3(評価点で変動) 40〜80万円
大阪府 大阪市 狭あい道路沿道老朽住宅除却促進制度 公式要綱要確認 戸建75万円(重点 100万円
兵庫県 神戸市 神戸市老朽空家等解体補助制度 公式要綱要確認 戸建60万円 / 共同100万円
沖縄県 那覇市 那覇市不良住宅等除却費補助金 公式要綱要確認 公式要綱要確認

読み取りポイント:

  • 補助率の中心は1/3〜1/2、宇都宮(2/3)・福島市特定空家(4/5)・札幌地域連携型(9/10)など高補助率の例外あり
  • 上限額の中心は50〜100万円、福島市特定空家・札幌地域連携・大阪市重点エリアで150万円規模
  • 要件は「老朽性」「旧耐震」「未使用1年以上」「市税滞納なし」「登録業者施工」が共通
  • 盛岡市・水戸市・福岡市など、解体専用補助金が公式サイト上に確認できない自治体もある(家じまいくん 2026-05-14 確認時点。改修・移転・ブロック塀補助はあり)

確認できない自治体のケース

データ集計時点で解体専用補助金が公式サイトに見当たらなかった自治体(盛岡・水戸・福岡など)でも、以下のいずれかが該当する可能性があります。

  • 近隣市町村の制度を県が広報している(県のサイトで近隣補助金がまとめられているケース)
  • 特定空家認定後の代執行制度のみ運用している(事前申請型の補助金は無いが行政手続きで対応)
  • 本データ確認後に新設された(最新情報は問い合わせ推奨)

47都道府県全データと最新更新は /research/akiya-kaitai-souba-2026 を参照してください。

補助金の探し方 3ステップ

「自分の実家のある自治体に補助金があるか」を最短で確認するための3ステップです。

ステップ1: 自治体公式サイトで「空き家 補助金」検索

検索エンジンで「[市区町村名] 空き家 補助金 解体」と検索すると、ほとんどの場合、自治体の空き家対策ページが上位に出てきます。

  • 探す部署名の目安: 都市計画課 / 建築指導課 / 住宅政策課 / 空き家対策室 / 市民生活課
  • 確認すべき項目: 制度名、補助率、上限額、要件(築年数・接道・所有期間)、申請期間、申請窓口、必要書類

ステップ2: 自治体窓口に電話で要件確認

公式サイトの記載だけでは判断できない場合(「事前判定が必要」「危険度評価が必要」等)、実際の建物状態を伝えて要件確認するのが最短です。

  • 建物状態(築年数・構造・腐朽具合・近隣状況)
  • 所有関係(単独所有・共有名義・相続未登記)
  • 所在地(市街化区域・調整区域・狭あい道路沿道)

電話1本で「うちの空き家は対象になりそうか」の感触がつかめます。

ステップ3: 国交省 全国版空き家バンクで広域確認

国交省 全国版空き家・空き地バンクでは、参加自治体の空き家関連制度がまとめて検索できます。**「自分の市は解体補助金が無いが、隣の市にはある」**といったケースも見えやすくなります。

申請の典型流れと5つの落とし穴

補助金には共通する申請フローと、見落としやすい注意点があります。

典型的な申請フロー

事前相談(窓口確認)
   ↓
申請書類提出(着工前必須)
   ↓
審査・交付決定通知
   ↓
業者契約・着工(交付決定後)
   ↓
完了報告書提出・現地確認
   ↓
補助金交付

落とし穴1: 先着順で予算が尽きる

多くの自治体は年度予算の枠を設けており、先着順で受け付けます。

  • 4月の年度開始直後に枠が埋まる人気自治体あり
  • 「来年度に申請しよう」と先送りすると、翌年度も同じ予算規模で先着順
  • 対策: 年度開始前に書類準備、4月の窓口開設日に即提出

落とし穴2: 着工前申請が絶対条件

契約・着工後の申請は原則不可です。「業者を決めて、契約してから自治体に相談する」という順序では、補助金が使えなくなります。

  • 順序: ①自治体相談 → ②申請 → ③交付決定 → ④業者契約 → ⑤着工
  • 対策: 「補助金を使う前提なら、必ず先に自治体窓口へ」

落とし穴3: 工事業者が指定される

市内に本店登録のある解体業者」「国交省 解体工事業登録済の業者」など、施工業者が指定されるケースが大半です。

  • 県外の安い業者を使うと補助金対象外になる場合あり
  • 対策: 業者選定前に、自治体に指定業者リストを確認

落とし穴4: 解体後の固定資産税が最大6倍

最も見落とされがちな点です。解体すると地方税法349条の3の2の住宅用地特例が解除され、翌年度から固定資産税が最大6倍になります。

状態 固定資産税の課税標準
住宅あり(特例適用) 1/6(小規模住宅用地)
解体後・更地 満額

詳細は 特定空家認定回避コラム の「固定資産税6倍化」セクションを参照してください。

落とし穴5: 補助金対象外の費用がある

補助金が「本体解体費のみ」を対象とし、以下が対象外になる自治体が多くあります。

  • 残置物処理費(家具・家電・本などの撤去)
  • アスベスト調査・除去費
  • 庭木・庭石の処分費
  • 整地・舗装費
  • 申請書類作成費(行政書士手数料)

補助金で50万円出るから安心と思ったら、対象外費用で50万円超かかった」というのは起こりがちな失敗です。見積書を取る段階で「補助金対象範囲」を業者と確認することが重要です。

補助金が使えない場合の代替手段

「解体補助金が無い自治体」「補助金要件を満たさない(築年数が新しい等)」場合の代替策を3つ整理します。

代替1: 住宅ローン控除を活用した建替

更地化後すぐに新築・建替を計画している場合、住宅ローン控除(最大13年間・年末残高×0.7%)を活用すれば、補助金以上の節税効果が見込めます。

代替2: 売却前提なら3000万円特別控除

被相続人の居住用家屋の場合、相続開始から3年経過する日の属する年の12月31日までに売却すれば、3000万円特別控除が使える可能性があります。詳細は 空き家の3000万円特別控除 を参照してください。

「補助金で数十万円圧縮」より、「3000万円控除で譲渡所得税ゼロ」の方が大きいケースが多いため、売却が選択肢に入るなら控除を優先検討します。

代替3: 解体せず古家付きで売却

「解体費用 + 解体後の固定資産税6倍化」を考慮すると、古家付きで売る方が手残りが大きいケースが意外と多くあります。

  • 解体費 150〜250万円が買主側負担になる代わりに、売却単価がやや下がる
  • 売主は固定資産税の住宅用地特例を売却完了まで維持できる
  • 詳細は 実家解体後の更地活用方法 の「更地引渡 vs 古家付き引渡」を参照

代替4: 相続放棄(最終手段)

「解体費すら出せない」「補助金もない」「兄弟で揉めて売却もできない」状態が長期化する場合は、相続放棄も選択肢に入ります。詳細は 相続放棄の判断基準と落とし穴 を参照してください。

ただし放棄しても民法940条の保存義務が残るため、「放棄=関わりゼロ」ではない点に注意が必要です。

補助金 + 4選択肢の組み合わせ早見表

家じまいくんの4選択肢(売る・貸す・住む・壊す)と補助金の組み合わせを整理します。

選択肢 使える補助金 注意点
売る (補助金よりも3000万円特別控除 解体せず古家付き売却なら補助金不要
貸す 改修・耐震・リフォーム補助 補助率1/3〜1/2、上限30〜100万円
住む 改修・耐震・リフォーム補助、移住者向け加算 補助率1/2〜2/3、上限50〜200万円
壊す 解体補助 + 解体後活用での個別補助 解体補助後の固定資産税6倍化に注意

家じまいくん診断では、自治体補助金の有無も含めて4選択肢の手残りレンジを試算します。

よくある質問(FAQ)

Q1. 補助金は全国どこの自治体でも使えますか?

いいえ。自治体ごとの個別制度のため、解体専用補助金が無い自治体もあります(家じまいくん 2026-05-14 確認時点で盛岡・水戸・福岡など)。最新情報は自治体公式サイトまたは窓口で確認してください。

Q2. 申請から交付までどのくらい?

自治体・案件によりますが、事前相談から交付決定まで1〜3ヶ月、解体完了後の補助金交付までさらに1〜2ヶ月かかるケースが一般的です。

Q3. 補助金は何回使えますか?

原則「1物件1回」です。同じ空き家で解体補助+改修補助の重複は不可。ただし家主が複数物件を所有している場合、別物件で別途申請は可能なケースがあります。

Q4. 国の補助金はないんですか?

国(国土交通省)は自治体への財政支援(社会資本整備総合交付金)を通じて間接的に補助しています。所有者個人が国に直接申請する補助金は基本的にありません。

Q5. 補助金を使うと売却時に不利になる?

通常、補助金交付後の売却に制限は無いことが多いですが、**自治体によっては「補助金交付後一定期間の所有義務」**を設けている場合があります。要綱を事前確認してください。

Q6. アスベスト除去費は補助対象?

自治体により異なります。本体解体費のみ対象(アスベスト除去は別途自己負担)が多いですが、一部自治体ではアスベスト除去専用補助金(環境省系)が別途用意されています。

Q7. 補助金と確定申告の関係は?

補助金は一時所得として課税対象になる場合がありますが、年間50万円の特別控除があるため、補助金単独では課税されないケースが多いです。詳細は税理士に確認してください。

Q8. 共有名義の空き家でも補助金は使えますか?

使えるケースが多いですが、共有者全員の同意書が必要になります。共有名義のトラブル全般は 兄弟・姉妹の共同相続トラブル を参照してください。

関連リソース

一次データへのリンク

空き家補助金は「自治体ごとの個別制度」「先着順・予算上限」「着工前申請必須」「解体後の固定資産税6倍化」の4点を押さえれば、無駄打ちを大幅に減らせます。家族の意思決定の前段として、自治体窓口への電話1本+家じまいくん診断で全体像を整理することをおすすめします。

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本記事の補助金データは家じまいくん独自集計(2026-05-14 公式サイト確認)に基づきます。各補助金の最新要綱・申請期間・予算枠状況は、必ず該当自治体の公式サイトまたは担当窓口でご確認ください。本記事は法的・税務上の助言を目的としたものではありません。

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本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、 税務・法務・不動産取引に関する個別具体的な助言を行うものではありません。 個別のご事情に応じた判断は、税理士・司法書士・弁護士・宅地建物取引士等の有資格者にご相談ください。 また、法令・通達は本記事公開後に改正される可能性があります。最新情報は各官公庁のWebサイトをご確認ください。

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