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親の家を相続したら必要な手続き完全ガイド|7種類を「種類別」に網羅 2026年版

親の家を相続したら必要な手続きを「種類別」に7つ網羅。戸籍収集(出生〜死亡の連続戸籍)・遺産分割協議書の作成・相続登記(2024年義務化・3年以内・10万円以下の過料)・相続税申告(10ヶ月以内・基礎控除3,000万+600万×法定相続人数)・準確定申告(4ヶ月以内)・不動産の処分判断(売る/貸す/住む/壊す)・自力vs専門家依頼の判断軸まで、民法・戸籍法・不動産登記法・国税庁タックスアンサーの一次情報で完全整理。

「親が亡くなって実家を相続することになったけど、何の手続きが必要かわからない」「役所・法務局・税務署、どれから始めればいい?」

親の家を相続したときの手続きは期限順で並べたガイドが多いですが、実際に動く側からすると「何という手続きを、何のためにやるのか」を種類別に整理した方が頭に入りやすい場面があります。本記事では民法・戸籍法・不動産登記法・国税庁タックスアンサーなどの一次情報を出典として、7種類に分けて網羅します。期限順タイムラインは実家を相続したらまず何から?を先にお読みください。

【俯瞰】親の家を相続したら必要な手続き 7種類

# 手続きの種類 主な目的 主な提出先
1 戸籍収集 法定相続人を確定する 市区町村役場
2 遺産分割協議書の作成 誰が・何を相続するか合意 相続人全員
3 相続登記(名義変更) 不動産の名義変更 法務局
4 相続税申告 課税対象なら申告・納付 税務署
5 準確定申告 被相続人の所得税清算 税務署
6 不動産の処分判断 売る・貸す・住む・壊す (意思決定)
7 自力 vs 専門家依頼 各手続きの担当分け (意思決定)

期限順ではなく目的別で並べることで「戸籍収集」のような相続登記・税申告・銀行解約のすべてに使う横串の手続きが見えてきます。

1. 戸籍収集 — 被相続人の出生〜死亡の連続戸籍

法定相続人を確定するために、被相続人の出生から死亡までの戸籍を本籍地の市区町村役場で取り寄せます(戸籍法)。相続登記・相続税申告・銀行解約・遺産分割協議のすべてで使う基礎資料です。集めるのは現在戸籍・改製原戸籍(昭和・平成の改製前の旧戸籍)・除籍の3種類で、被相続人が本籍を動かした回数だけ通数が増えます(各役場へ郵送請求可)。

戸籍一式を最初に法務局へ持ち込み法定相続情報証明制度で「法定相続情報一覧図」を発行してもらうと、その後の銀行解約・登記・税申告で戸籍を何度も提示せずに済みます。詳しい段取りは相続登記の手続き完全ガイドも参照してください。

2. 遺産分割協議書の作成 — 兄弟がいる場合の必須書類

遺言書がない場合、相続人全員で「誰が・何を相続するか」を話し合い、結果を遺産分割協議書にまとめます(民法906条)。出発点の法定相続分(民法900条)は、配偶者と子なら配偶者1/2・子1/2、配偶者と直系尊属なら配偶者2/3・直系尊属1/3、配偶者と兄弟姉妹なら配偶者3/4・兄弟1/4。全員が合意すれば異なる分け方も可能です。

協議書には被相続人と相続人全員の情報、不動産(登記事項証明書のとおり)、預貯金、各相続人の取得分を記載し、全員の署名・実印押印 + 印鑑証明書を添えます。一人でも反対すれば成立しません。揉めそうなら遺産分割調停か早めの弁護士相談を検討してください(兄弟トラブル典型7パターン)。

協議自体に法的期限はありませんが、相続税申告(10ヶ月以内)までに完了が実務上の理想です。未分割のまま申告すると小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を一旦適用できません。

3. 相続登記 — 2024年4月義務化・3年以内

不動産の名義を被相続人から相続人に書き換える手続きで、2024年4月1日から法律上の義務となりました(不動産登記法76条の2)。期限は不動産取得を知った日から3年以内、施行日前の相続にも遡及適用(経過措置で施行日または取得を知った日のいずれか遅い日から3年以内)、違反すると10万円以下の過料が科されます(法務省)。

必要書類は、被相続人の出生〜死亡の戸籍(または法定相続情報一覧図)/住民票除票/相続人全員の現在戸籍・住民票/固定資産評価証明書/遺産分割協議書または遺言書/印鑑証明書/登記申請書。詳細11点と書式は相続登記の手続き完全ガイドで網羅しています。

登録免許税は固定資産税評価額の0.4%(評価額1,500万円なら6万円)。協議が長引いて3年以内に登記が間に合わない場合は「相続人申告登記」で過料リスクを回避できます(法務省)。義務化の運用は相続登記の義務化はいつから?で深掘りしています。

4. 相続税申告 — 10ヶ月以内・基礎控除を超えた場合のみ

相続税は相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に申告・納付します(国税庁 No.4205)。基礎控除 = 3,000万円 + 600万円×法定相続人の数(1人なら3,600万円、3人なら4,800万円)を遺産総額が下回れば申告も納税も不要です。

主な特例(適用判定が複雑なので税理士確認推奨):

  • 小規模宅地等の特例国税庁 No.4124):居住用宅地330㎡まで評価額最大80%減
  • 配偶者の税額軽減国税庁 No.4158):配偶者は1億6,000万円または法定相続分のいずれか多い方まで非課税
  • 相続空き家の3,000万円特別控除国税庁 No.3306):要件下で売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除(空き家の3000万円特別控除

特例の適用ミスで数百万円単位の損失が出ることもあります。基礎控除を超えそうなら申告期限の半年前までに税理士へ相談するのが安全です(納付は原則現金一括)。

5. 準確定申告 — 4ヶ月以内・被相続人の所得税の清算

被相続人がその年1月1日から死亡日までに得た所得は、相続人が代わりに相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内に確定申告します(国税庁 No.2022)。給与所得のみ・源泉徴収完結なら不要なこともありますが、事業・不動産所得/給与収入2,000万円超/給与・退職以外の所得20万円超/医療費控除等の還付がある場合は申告が必要または有利です。高額な医療費を支払っていた場合は還付の可能性が高いので、領収書を保管してください。

6. 不動産の処分判断 — 売る・貸す・住む・壊すの4択

ここまでの手続きと並行して実家そのものをどうするかの方針を決める必要があります。

選択肢 主なメリット 主なリスク 向いているケース
売る 現金化/固定資産税消滅/3,000万円控除 立地次第で安値・時間がかかる 遠方在住・相続人複数・早期現金化
貸す 家賃で維持費相殺/資産を保有 空室・修繕・賃借人トラブル 駅近・築浅・売却余地を残したい
住む 小規模宅地特例で相続税最大80%減 リフォーム費・通勤距離・家族合意 地元で働く・家族同意
壊す 維持費ゼロ/更地は売りやすい 解体費100〜200万円/固定資産税最大6倍 老朽化深刻・買い手がつかない

直感で「とりあえず売る」と決めるのではなく、4選択肢を横並びで比較することが後悔のない意思決定の第一歩です(実家の処分4択完全比較ガイド)。

7. 自力 vs 専門家依頼の判断軸

各手続きを「自分でやる」か「専門家に頼む」かは難易度・時間コスト・失敗時のリスクで判断します。

手続き 自力の目安 専門家依頼を推奨 費用相場
戸籍収集 本籍移動が少ない 本籍移動が複雑・古戸籍が読めない 数千円〜数万円
遺産分割協議書 相続人が円満 兄弟で意見が割れる 5〜20万円
相続登記 物件1〜2件・関係シンプル 数次相続・代襲・共有 5〜10万円(司法書士)
相続税申告 基礎控除以下 基礎控除超・特例適用 20〜100万円(税理士)
準確定申告 給与所得のみ 事業・不動産所得あり 5〜20万円(税理士)
不動産売却 自分で買主を見つけられる 一般的な取引 売却額×3%+6万円

専門家の前に座る前に自分でも方向性を持っていると相談の中身が深まり、時間も費用も節約できます。司法書士・税理士・弁護士の使い分けは実家を相続したらまず何から?のQ&Aも参考にしてください。

まとめ — 種類別に把握できたら、次の一歩へ

親の家を相続したときに必要となる手続きを「種類別」に7つ整理しました。①戸籍収集②遺産分割協議書の作成③相続登記(2024年義務化・3年以内・10万円以下の過料)④相続税申告(10ヶ月以内・基礎控除3,000万+600万×法定相続人数)⑤準確定申告(4ヶ月以内)⑥不動産の処分判断(4択)⑦自力 vs 専門家依頼の判断。

期限順タイムラインで全体を眺めたい方は実家を相続したらまず何から?、家じまいの全体像は家じまいとは?も合わせてお読みください。

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本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、 税務・法務・不動産取引に関する個別具体的な助言を行うものではありません。 個別のご事情に応じた判断は、税理士・司法書士・弁護士・宅地建物取引士等の有資格者にご相談ください。 また、法令・通達は本記事公開後に改正される可能性があります。最新情報は各官公庁のWebサイトをご確認ください。

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