2026年版 相続不動産 賃貸転用 完全ガイド
総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査の e-Stat ファイル(第37-1表・第48-1表)を実機抽出して、47都道府県別の賃貸用空き家戸数と平均家賃を網羅。国土交通省・国税庁・日本賃貸住宅管理協会の公式情報を一次データとして、家じまいくん編集部が「貸す」選択肢の数値・法務・税務をすべて整理しました。数値はすべて出典 URL を本文末尾に明示しています。
公開: 2026年5月14日 | データ確認日: 2026-05-14 | 編集: 家じまいくん編集部
1. 全国概況(令和5年住宅・土地統計調査)
総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査(基準日 2023年10月1日・確報集計2024年9月25日公表)の e-Stat ファイル(第37-1表)を実機ダウンロードして抽出した数値です。
- 全国 空き家総数: 9,001,600 戸
- 全国 賃貸用の空き家: 4,435,800 戸(空き家総数の約49%)
- 全国 空き家率: 13.8%(過去最高)
- 全国 平均家賃: 59,643 円/月(家賃0円含む)/ 60,649 円/月(0円除く)
出典: 総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査(確報集計2024年9月25日公表)(確認日 2026-05-14)
2. 賃貸借契約 5類型 の使い分け
家じまい用途では「将来売却予定があるか」「自分でリフォーム代を出してくれる借主層に貸すか」「管理工数をゼロにしたいか」「社会貢献色をもたせるか」で選ぶ契約形態が変わります。借地借家法・国土交通省ガイドライン準拠で 5 類型を整理します。
普通借家契約
根拠: 借地借家法 第26条〜第28条
- 長期入居が見込みやすい(借主の立場が安定)
- 募集時に「定期借家ではない」ことが借主に好まれる地域がある
- 貸主から立ち退いてもらう際は「正当事由」+ 立退料の財産上の給付が必要になる
- 売却・自己使用予定がある場合に明け渡しのハードルが高い
定期借家契約
根拠: 借地借家法 第38条
- 期間満了で確実に契約終了。将来売却・自己使用予定の物件で活用可
- 1年未満の契約も可能で短期運用可
- 賃料増減請求権を特約で排除可(普通借家では特約で排除不可)
- 事前に書面で「更新なし」を説明する義務(第38条第3項)
- 賃料が普通借家より安くなる傾向(借主の立場が弱いため)
DIY型賃貸借
根拠: 国土交通省「DIY型賃貸借に関する契約書式例とガイドブック」(平成30年3月版)
- 借主が自費でリフォーム・改修できる(築古空き家の賃貸流通促進)
- 明け渡し時の原状回復義務を契約時に合意で軽減可能
- リフォーム費用を貸主が負担しなくて済むため築古物件の出口戦略に向く
- 改修内容によっては将来売却時の評価減リスク
- 退去後の状態を貸主が完全にコントロールできない
サブリース(特定賃貸借契約)
根拠: 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(サブリース新法・令和2年法律第60号)
- 空室時も家賃保証(業界目安として家賃の80〜90%が大家への支払い額)
- 管理業務をすべて業者に委ねられる
- 実質手取りは家賃の80〜90%(10〜20%が業者取り分)
- 「サブリース契約していた予定賃料の40%減額を迫られた例」など重大な相談事例
- 国交省立入検査で2022年は179社中106社に是正指導
- 重要事項説明充足率は約55%(4割超は説明不十分)
セーフティネット住宅(要配慮者向け登録制度)
根拠: 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律(住宅セーフティネット法)
- 改修費補助・家賃低廉化補助・家賃債務保証保険料補助を自治体経由で受けられる可能性
- 登録件数128,565件 / 登録戸数965,953戸(2026-05-14 時点)と全国規模で運用中
- 築古空き家の流通先として要配慮者層(低額所得者・被災者・高齢者・障害者・子育て世帯・外国人)にマッチ
- 補助率・上限額は地方公共団体により異なるため事前要件確認必須
- 国費補助受給時は10年間の用途継続義務
- 家賃水準は近傍同種家賃と均衡(自由設定不可)
3. 想定収支マトリクス(築年×構造×間取り別 7パターン)
公的統計に「築年×構造×間取り別の収支」は存在しないため、楽待・健美家・HOMES の業界公開数値(2025年Q2〜Q3)と第48-1表の県別家賃水準を組み合わせた業界目安です。個別物件のキャッシュフロー保証ではありません。
| パターン | エリア | 月額家賃 業界目安 | 表面利回り 業界目安 | 経費率 業界目安 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 築20年 木造 2LDK | 首都圏郊外 | 5〜8万円 | 7〜9% | 20〜25% | 第48-1表 県別家賃水準準拠の業界目安。 |
| 築30年 木造 3LDK | 地方都市 | 4〜6万円 | 8〜10% | 25〜30% | 築30年帯は減価償却 残存年数 = 22 × 20% = 4年(簡便法)。所得税対策としては残存年数を取り切るまでの利点が大きい。 |
| 築40年 木造 戸建 | 地方郊外 | 3〜5万円 | 10%超もあり得る | 30%超 | 修繕費負担増で実質利回りは表面利回りから大幅低下しやすい区分。DIY型賃貸借または セーフティネット住宅活用との相性が高い。 |
| 築20年 軽量鉄骨アパート1棟 | 地方主要都市 | 4〜6万円/戸 | 8〜9% | 20〜25% | 健美家データ準拠。1棟マンションよりも軽量鉄骨アパートの方が利回りは出やすい傾向。 |
| 築20年 RC マンション区分 | 首都圏 | 8〜12万円 | 5〜7% | 20% | HOMES記事数値準拠。RC耐用年数47年で減価償却期間も長い。 |
| 築10年未満 一棟アパート(全国平均) | 全国(楽待 2025年Q2) | エリア依存 | 6.25% | 20%(業界目安) | 楽待 2025年Q2 集計。 |
| 築10年未満 一棟マンション(全国平均) | 全国(楽待 2025年Q2) | エリア依存 | 4.89% | 20%(業界目安) | 楽待 2025年Q2 集計。築古区分マンション(築20年以上)は7.47%まで上昇。 |
4. 必要経費の業界相場(8項目)
管理委託料・仲介手数料・広告料・火災保険・修繕費・固定資産税・税理士費用 まで、賃貸経営で発生する主要コストの業界相場をまとめました。
- 賃貸管理委託料
- 相場: 月家賃の 3〜5%(業界水準)。上限レンジで 3〜10%出典: HOME4U https://www.home4u.jp/lease/contents/manage/lease-12-8150/ + 投資家K https://www.investor-k.com/media/borrow/a290集金・クレーム対応・退去立会・滞納催促などの実務代行料。
- 仲介手数料
- 相場: 賃料1か月分(税別)が宅建業法上の上限出典: 全日本不動産協会 https://www.zennichi.or.jp/law_faq/新規入居者募集時に発生。貸主負担・借主負担の慣行は地域差あり。
- 広告料(AD)
- 相場: 家賃 1〜2か月分(法的上限なし)出典: CHINTAI JOURNAL https://journal.chintai.net/cool-knowhow/ad-merit/ + いえーる https://lab.iyell.jp/knowledge/realestate/realestate_ad/客付け業者へのインセンティブ。地域・物件競争力で1〜2か月分が一般的。
- 火災保険(オーナー向け)
- 相場: アパート 年間 5〜15万円(基本)/ 特約フル付帯で 85〜95万円出典: HOME4U Owners https://home4u-owners.jp/contents/construction-apartment-44-25522構造区分の保険料順: M構造(RC)< T構造(鉄骨)< H構造(木造)。2024年 火災保険料 全国平均 約13% 引き上げ。
- クロス張替え(量産品)
- 相場: 800〜1,200円/㎡(量産品)/ 1,200〜1,800円/㎡(ハイグレード)出典: リフォームガイド https://www.reform-guide.jp/topics/cross-harikae-tanka/退去時の原状回復で発生。経年変化・通常損耗は貸主負担(民法621条 + 国交省ガイドライン)。
- 戸建リフォーム(坪単価)
- 相場: 50〜100万円/坪(戸建)/ 40〜80万円/坪(マンション)出典: SUUMO https://suumo.jp/remodel/blog/entry/20231201/001築古戸建を賃貸用に再生する場合の目安。100〜500万円のレンジに収まることが多い。
- 固定資産税・都市計画税
- 相場: 住宅用地特例で課税標準が 1/6(小規模住宅用地・200㎡以下)/ 1/3(一般住宅用地)出典: 地方税法第349条の3の2(国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001712029.pdf)賃貸住宅として使われている限り住宅用地特例は継続。空き家放置で「特定空家等」勧告を受けると特例除外で税額約6倍。
- 確定申告 税理士費用
- 相場: 1物件: 申告書作成のみ 3〜5万円 / 記帳代行込み 15〜25万円。2-5物件: 5〜30万円。顧問契約: 月1〜3万円出典: オールセンモンカ https://www.all-senmonka.jp/guide/3607/ + 経営支援プラスα https://keiei-support-plus-a.com/zeirishi-hiyou/fudousan-toushi-zeirishi/国税庁公式統計ではない業界目安。地域・物件規模で大きく変動するため複数事務所の見積比較が一般的。
5. 減価償却(中古資産 簡便法・国税庁 No.5404)
相続実家を賃貸に出す場合、建物部分は減価償却で経費計上できます。中古資産は法定耐用年数の経過状況に応じて「簡便法」で残存耐用年数を計算します(国税庁 タックスアンサー No.5404)。
5-1. 構造別 法定耐用年数(業界一般値)
| 構造 | 法定耐用年数 | 備考 |
|---|---|---|
| 木造 | 22 年 | 業界一般値(出典: 減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表第一・財務省令) |
| 軽量鉄骨造(骨格材肉厚3mm以下) | 19 年 | 業界一般値・骨格材肉厚 3mm超4mm以下 = 27年。3mm以下は19年。 |
| 軽量鉄骨造(骨格材肉厚3mm超4mm以下) | 27 年 | 業界一般値 |
| 重量鉄骨造(骨格材肉厚4mm超) | 34 年 | 業界一般値 |
| RC造(鉄筋コンクリート) | 47 年 | 業界一般値 |
5-2. 簡便法 計算ルール(国税庁 No.5404 原文)
法定耐用年数の全部を経過している中古資産
計算式: 法定耐用年数 × 20%
例: 築40年 木造(法定耐用年数22年・全部経過)→ 22年 × 20% = 4.4年 → 端数切捨で 4年
出典: 国税庁 No.5404 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5404_qa.htm
法定耐用年数の一部を経過している中古資産
計算式: (法定耐用年数 − 経過年数)+(経過年数 × 20%)
例: 築15年 木造(法定耐用年数22年・経過15年)→(22-15)+(15×20%)= 7 + 3 = 10年
出典: 国税庁 No.5404 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5404_qa.htm
端数処理: いずれの場合も1年未満の端数は切り捨て、計算結果が2年未満であるときは2年とします(同条文)。中古資産取得後の資本的支出が取得価額の50%相当額を超える場合、簡便法は適用不可。
6. 不動産所得・損益通算・青色申告(国税庁公式 6項目)
賃貸転用後の確定申告で活用できる主要ルールです。すべて国税庁タックスアンサーの公式記述を整理しています。
- 不動産所得の計算式
- 不動産所得 = 総収入金額 − 必要経費。総収入には賃貸料・名義書換料・更新料・返還を要しない敷金保証金・共益費名目の電気水道代等を含む(国税庁 No.1370)。
- 損益通算(給与所得との通算)
- 不動産所得が赤字の場合、原則として他の黒字所得(給与所得など)と損益通算可能。ただし「土地等を取得するために要した負債の利子に相当する部分」と「主として趣味・娯楽目的の不動産損失」「国外中古建物の簡便法減価償却部分(令和3年以後)」は損益通算対象外(国税庁 No.1391)。
- 青色申告制度(10万/55万/65万円控除)
- 10万円控除: 簡易な記帳で可。55万円控除: 複式簿記 + 貸借対照表・損益計算書 + 期限内提出。65万円控除: 55万円要件 + 電子帳簿保存またはe-Taxによる電子申告(国税庁 No.2070)。
- 5棟10室基準(事業的規模)
- 貸間・アパート等は独立した室数おおむね10室以上、独立家屋の貸付けはおおむね5棟以上で「事業的規模」。事業的規模なら 65万円控除・取壊し損全額必要経費・青色専従者給与 が活用可(国税庁 No.1373)。
- 修繕費 vs 資本的支出の判定
- 1回の修理改良費 20万円未満 または 区分不明確で60万円未満 もしくは 前年末取得価額のおおむね10%以下 → 修繕費として処理可能。物理的付加(避難階段等)・用途変更模様替えは原則資本的支出(国税庁 No.1379)。
- 消費税(住宅貸付は非課税・1000万円免税)
- 住宅の貸付けは原則非課税(国税庁 No.6225)。事業用貸付は課税対象。基準期間の課税売上高1,000万円以下なら納税義務免除(国税庁 No.6501)。インボイス登録事業者は1,000万円以下でも納税義務あり。
出典: 国税庁 No.1370 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1370.htm
出典: 国税庁 No.1391 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1391.htm
出典: 国税庁 No.2070 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm
出典: 国税庁 No.1373 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1373.htm
出典: 国税庁 No.1379 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1379.htm
出典: 国税庁 No.6225 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6225.htm + No.6501 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6501.htm
7. 相続税評価減(貸家建付地・貸家・小規模宅地)
相続不動産を「貸している状態」にすると、自用地評価よりも評価減を受けられます。家じまい用途で賃貸転用する大きな税務メリットです。
貸家建付地の評価
計算式: 貸家建付地の価額 = 自用地としての価額 ×(1 − 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)
例: 自用地評価3,000万円・借地権割合70%・借家権割合30%・賃貸割合100%の場合 → 3,000万円 ×(1 − 0.7 × 0.3 × 1)= 3,000万円 × 0.79 = 2,370万円(630万円減)
出典: 国税庁 No.4614 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hyoka/4614.htm
貸家の評価
計算式: 貸家の価額 = 固定資産税評価額 ×(1 − 借家権割合 × 賃貸割合)
例: 固定資産税評価額1,000万円・借家権割合30%・賃貸割合100% → 1,000万円 − 1,000万円 × 30% × 100% = 700万円(300万円減)
出典: 国税庁 No.4602 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4602_qa.htm
小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地等)
計算式: 限度面積200㎡まで・減額割合50%
例: 200㎡の貸付事業用宅地(評価額3,000万円)→ 1,500万円減額。要件: 相続開始直前に貸付事業に供されていた + 申告期限まで保有継続 + 申告期限まで貸付事業継続
出典: 国税庁 No.4124 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm
小規模宅地等の特例「貸付事業用宅地等」は ミニツール「小規模宅地特例 適用判定」で 7 質問で判定できます(家なき子特例対応)。
8. サブリース新法(賃貸住宅管理業法)罰則一覧
サブリース契約を検討する場合は、業者がサブリース新法(令和2年法律第60号・令和2年12月15日 + 令和3年6月15日 二段階施行)に準拠しているかを必ず確認してください。重要事項説明書(14項目)の充足が法的義務です。
| 違反内容 | 罰則 | 根拠 |
|---|---|---|
| 無登録営業(200戸以上の管理物件を扱う業者) | 1年以下の懲役または100万円以下の罰金 | 賃貸住宅管理業法 |
| 不当勧誘(故意の虚偽告知) | 6月以下の懲役または50万円以下の罰金 | 同法 第29条 |
| 重要事項説明書未交付 | 50万円以下の罰金 | 同法 第30条 |
| 誇大広告等 | 30万円以下の罰金 | 同法 第28条 |
国土交通省は2022年に全国179社中106社に是正指導を実施。サブリース業者の法令違反については国土交通省「賃貸住宅管理業法に基づく申出制度」から行政指導を求められます。
9. セーフティネット住宅 全国登録状況
築古実家を社会貢献色も持たせて活用する場合、セーフティネット住宅登録は自治体補助金活用ルートの1つです。
- 全国 登録件数: 128,565 件
- 全国 登録戸数: 965,953 戸
- 確認日: 2026-05-14
- 公式システム: https://safetynet-jutaku.mlit.go.jp/guest/
対象「住宅確保要配慮者」(法定 + 省令 + 自治体追加)
- 低額所得者
- 被災者
- 高齢者
- 障害者
- 子育て世帯
- 外国人等(省令で追加)
- 新婚世帯(自治体独自で追加可能)
全国共通 登録基準
- 耐震性を有すること
- 原則25㎡以上(地方公共団体による強化・緩和可)
- 近傍同種の住宅家賃と均衡を失しない額
補助制度(自治体により異なる)
- 改修費補助: 改修工事の1/3を補助対象、上限50万円/戸(住宅保証支援機構ページ等の記載・自治体により異なる)
- 家賃低廉化補助: 月収15.8万円以下の低額所得者対象。生活保護受給者・住居確保給付金受給者は対象外
- 家賃債務保証保険料補助: 公式ページ枠組みあり(具体額は自治体により異なる)
- 国費補助受給時は原則10年間 要配慮者限定の管理が必須
10. 業界統計: 入居率・滞納率(日管協短観 第28回)
第28回 賃貸住宅市場景況感調査(日管協短観)(2024-11-06 公表・調査期間 2023年4月〜2024年3月)の最新公表値です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 全国 月末1か月滞納率 | 1.2% |
| 全国 月末2か月以上滞納率 | 0.5% |
| 全国 委託管理入居率 | 94.2% |
| 全国 サブリース入居率 | 97.0% |
| 首都圏 委託管理入居率 | 95.6% |
出典: 日本賃貸住宅管理協会 https://www.jpm.jp/marketdata/
家賃債務保証会社 利用率の推移
| 年度 | 利用率 |
|---|---|
| 2010年 | 39% |
| 2014年 | 56% |
| 2018年 | 75% |
| 2020年度 | 約 80% |
| 2021年度(最新) | 約 80% |
出典: 国土交通省 家賃債務保証業者の登録制度に関する実態調査 + 不動産ニュース R.E.port
11. 47都道府県別 賃貸用空き家戸数 + 平均家賃(e-Stat 実機抽出 47県全件)
総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査 第37-1表(賃貸用空き家戸数)と 第48-1表(平均家賃)を e-Stat から実機ダウンロードして抽出した47県全件のデータです。
| 都道府県 | 賃貸用空き家戸数 | 平均家賃(0円含む) | 平均家賃(0円除く) | 家じまいくん地域ページ |
|---|---|---|---|---|
| 北海道 | 258,700 戸 | 44,793 円/月 | 45,674 円/月 | 北海道の地域別データ |
| 青森県 | 39,900 戸 | 40,238 円/月 | 41,884 円/月 | 青森県の地域別データ |
| 岩手県 | 41,100 戸 | 42,978 円/月 | 44,532 円/月 | 岩手県の地域別データ |
| 宮城県 | 80,200 戸 | 51,110 円/月 | 52,147 円/月 | 宮城県の地域別データ |
| 秋田県 | 23,600 戸 | 41,986 円/月 | 43,107 円/月 | 秋田県の地域別データ |
| 山形県 | 22,200 戸 | 44,936 円/月 | 46,126 円/月 | 山形県の地域別データ |
| 福島県 | 60,800 戸 | 44,001 円/月 | 44,939 円/月 | 福島県の地域別データ |
| 茨城県 | 90,700 戸 | 47,524 円/月 | 48,594 円/月 | 茨城県の地域別データ |
| 栃木県 | 76,700 戸 | 46,642 円/月 | 47,840 円/月 | 栃木県の地域別データ |
| 群馬県 | 68,500 戸 | 44,268 円/月 | 45,643 円/月 | 群馬県の地域別データ |
| 埼玉県 | 166,800 戸 | 62,265 円/月 | 63,141 円/月 | 埼玉県の地域別データ |
| 千葉県 | 196,400 戸 | 61,372 円/月 | 62,210 円/月 | 千葉県の地域別データ |
| 東京都 | 629,000 戸 | 87,126 円/月 | 88,295 円/月 | 東京都の地域別データ |
| 神奈川県 | 279,000 戸 | 70,922 円/月 | 71,918 円/月 | 神奈川県の地域別データ |
| 新潟県 | 54,500 戸 | 46,491 円/月 | 47,581 円/月 | 新潟県の地域別データ |
| 富山県 | 26,300 戸 | 45,497 円/月 | 46,184 円/月 | 富山県の地域別データ |
| 石川県 | 40,500 戸 | 46,319 円/月 | 46,957 円/月 | 石川県の地域別データ |
| 福井県 | 20,400 戸 | 45,991 円/月 | 47,259 円/月 | 福井県の地域別データ |
| 山梨県 | 31,000 戸 | 45,302 円/月 | 46,415 円/月 | 山梨県の地域別データ |
| 長野県 | 57,100 戸 | 46,023 円/月 | 47,028 円/月 | 長野県の地域別データ |
| 岐阜県 | 61,700 戸 | 45,656 円/月 | 46,693 円/月 | 岐阜県の地域別データ |
| 静岡県 | 144,400 戸 | 51,508 円/月 | 52,621 円/月 | 静岡県の地域別データ |
| 愛知県 | 251,800 戸 | 55,223 円/月 | 55,927 円/月 | 愛知県の地域別データ |
| 三重県 | 50,800 戸 | 47,120 円/月 | 48,233 円/月 | 三重県の地域別データ |
| 滋賀県 | 25,100 戸 | 50,682 円/月 | 51,592 円/月 | 滋賀県の地域別データ |
| 京都府 | 81,000 戸 | 57,170 円/月 | 58,185 円/月 | 京都府の地域別データ |
| 大阪府 | 436,100 戸 | 59,227 円/月 | 59,778 円/月 | 大阪府の地域別データ |
| 兵庫県 | 180,400 戸 | 57,845 円/月 | 58,634 円/月 | 兵庫県の地域別データ |
| 奈良県 | 39,000 戸 | 51,999 円/月 | 53,041 円/月 | 奈良県の地域別データ |
| 和歌山県 | 35,100 戸 | 42,054 円/月 | 43,084 円/月 | 和歌山県の地域別データ |
| 鳥取県 | 13,800 戸 | 42,577 円/月 | 43,935 円/月 | 鳥取県の地域別データ |
| 島根県 | 15,700 戸 | 42,528 円/月 | 43,665 円/月 | 島根県の地域別データ |
| 岡山県 | 65,000 戸 | 48,209 円/月 | 49,078 円/月 | 岡山県の地域別データ |
| 広島県 | 102,600 戸 | 51,544 円/月 | 52,366 円/月 | 広島県の地域別データ |
| 山口県 | 53,600 戸 | 41,926 円/月 | 42,956 円/月 | 山口県の地域別データ |
| 徳島県 | 31,300 戸 | 42,893 円/月 | 43,834 円/月 | 徳島県の地域別データ |
| 香川県 | 38,200 戸 | 45,282 円/月 | 46,067 円/月 | 香川県の地域別データ |
| 愛媛県 | 48,400 戸 | 41,680 円/月 | 42,762 円/月 | 愛媛県の地域別データ |
| 高知県 | 24,300 戸 | 42,170 円/月 | 43,093 円/月 | 高知県の地域別データ |
| 福岡県 | 189,100 戸 | 51,176 円/月 | 51,895 円/月 | 福岡県の地域別データ |
| 佐賀県 | 22,600 戸 | 45,265 円/月 | 46,053 円/月 | 佐賀県の地域別データ |
| 長崎県 | 41,700 戸 | 43,304 円/月 | 44,636 円/月 | 長崎県の地域別データ |
| 熊本県 | 54,300 戸 | 44,566 円/月 | 45,671 円/月 | 熊本県の地域別データ |
| 大分県 | 48,800 戸 | 41,888 円/月 | 42,880 円/月 | 大分県の地域別データ |
| 宮崎県 | 31,900 戸 | 41,450 円/月 | 42,084 円/月 | 宮崎県の地域別データ |
| 鹿児島県 | 53,800 戸 | 39,418 円/月 | 40,638 円/月 | 鹿児島県の地域別データ |
| 沖縄県 | 31,900 戸 | 49,400 円/月 | 50,903 円/月 | 沖縄県の地域別データ |
出典: 総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査 第37-1表・第48-1表(e-Stat statInfId=000040209904 / 000040209929 を 2026-05-14 に実機ダウンロード・openpyxl で抽出)。次回調査は5年後(令和10年/2028年予定)まで更新されません。
12. よくある質問(FAQ 65問)
A. 賃貸転用の基礎
- Q. 相続した実家を賃貸に出すメリットは?
- A. 売却までの期間を空き家のまま放置せず家賃収入に転換できる点、住宅用地特例(固定資産税1/6軽減)を継続できる点、相続税評価上「貸家建付地」「貸家」の評価減を受けられる点(国税庁No.4614/No.4602)が主なメリットです。一方で、修繕費・管理費・空室リスクの実費負担と、立ち退きの法的ハードル(普通借家の場合)があります。
- Q. 築古でも賃貸に出せる?
- A. 築古でも借主は見つかります。ただし耐震性・水回り設備・断熱性能が現代基準を大きく下回る場合は、DIY型賃貸借契約(国土交通省 平成30年版ガイドブック)またはセーフティネット住宅登録(要配慮者向け・自治体改修費補助あり)の形態が向きます。築40年木造戸建で表面利回り10%超のケースもありますが、修繕費負担で実質利回りが大きく下がる点に注意が必要です。
- Q. 全国の賃貸用空き家は何戸?
- A. 総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査(2024年9月25日公表)によると、全国の賃貸用の空き家は4,435,800戸(空き家総数9,001,600戸のうち約49%)。東京都が629,000戸で最多、次いで大阪府436,100戸、神奈川県279,000戸、北海道258,700戸、愛知県251,800戸の順です。
- Q. 全国の賃貸住宅の平均家賃は?
- A. 令和5年住宅・土地統計調査 第48-1表によれば、全国の主世帯1か月あたり家賃平均は59,643円(家賃0円含む)/ 60,649円(0円除く)。最高は東京都の87,126円、最低は鹿児島県の39,418円。神奈川県70,922円、埼玉県62,265円、千葉県61,372円が首都圏3県の水準です。
- Q. 賃貸転用と売却・解体・自己利用の比較は?
- A. 家じまいくんの「4選択肢手残り簡易比較ツール」(/tools/yondaku-tegata-simu)で各選択肢の手残り目安を比較できます。一般論として、ローンが残らない物件で立地が需要のあるエリアなら賃貸が有利になりやすく、立地条件が弱く修繕費負担が重い物件は解体+土地売却または現状売却が現実解になることが多いです。
- Q. 賃貸転用にあたり最初に何をする?
- A. ①登記上の所有者が確実に1人に確定していることを確認(共有名義のままでは賃貸契約締結に共有者全員の合意が必要)、②建物の現況調査(耐震性・水回り・断熱)、③地域の賃貸需要調査(近隣の空室率・募集家賃水準)、④契約類型の選択(普通借家 / 定期借家 / DIY型 / セーフティネット)、⑤管理会社見積取得、⑥税理士へ相談(不動産所得の確定申告体制)が一般的な順序です。
- Q. DIY型賃貸借とは?
- A. 国土交通省「DIY型賃貸借に関する契約書式例とガイドブック」(平成30年3月版)が定義する形態で、借主が自費で住宅をリフォーム・改修できる賃貸借契約。明け渡し時の原状回復の有無を契約時に貸主・借主で合意でき、リフォーム費用を貸主が負担せずに済むため、築古実家の賃貸転用と相性が良いとされています。
- Q. セーフティネット住宅とは?
- A. 住宅確保要配慮者(低額所得者・被災者・高齢者・障害者・子育て世帯・外国人等)に対する賃貸住宅供給を促進する国土交通省の制度。耐震性あり・原則25㎡以上・近傍同種家賃と均衡を要件として登録すると、改修費補助・家賃低廉化補助・家賃債務保証保険料補助を自治体経由で受けられる可能性があります。2026-05-14時点で全国登録128,565件・965,953戸。
- Q. サブリースは選んで大丈夫?
- A. サブリース新法(賃貸住宅管理業法・令和2年法律第60号)により2020年12月から事業者規制が強化されていますが、2022年の国土交通省立入検査では全国179社中106社に是正指導が出ており、業界全体の信頼性は依然課題があります。「サブリース契約していた予定賃料の40%減額を迫られた例」など消費者庁の注意喚起対象。契約前に重要事項説明書(14項目)の充足を必ず確認してください。
- Q. 賃貸転用には大規模リフォームが必要?
- A. 必須ではありません。クロス張替え(量産品800〜1,200円/㎡)と最低限の水回り修繕(数十万〜100万円)で出せる物件もあります。築古戸建を本格的に賃貸用に再生する場合は100〜500万円のリフォーム費用が目安。DIY型賃貸借で借主負担にする選択肢もあります。
B. 契約類型・法的論点
- Q. 普通借家と定期借家の違いは?
- A. 普通借家(借地借家法 第26〜28条)は原則更新あり・貸主からの更新拒絶に「正当事由」が必要。定期借家(同法 第38条)は公正証書等の書面契約で「更新なし」を定められ、期間満了で確実に終了。家じまいで「3〜5年後に売却予定」が見えているなら定期借家が制度趣旨に合致します。
- Q. 立ち退いてもらいたい場合の手順は?
- A. 普通借家契約の場合、期間満了の1年前〜6月前に更新拒絶通知+「正当事由」(建物の使用必要性・従前経過・利用状況・現況・財産上の給付の申出 = 立退料)が必要(借地借家法第28条)。立退料の申出は考慮要素の1つにすぎず、それのみで正当事由は成立しません。定期借家なら期間満了で確実に終了。
- Q. 1年未満の契約はできる?
- A. 普通借家では1年未満は「期間の定めがない建物の賃貸借」とみなされます(借地借家法第29条第1項)。定期借家なら1年未満の契約も可能で、短期運用に向いています。
- Q. 賃料を後で値下げしたいと言われた場合?
- A. 借地借家法第32条で借主から賃料減額請求が可能です。普通借家ではこの権利を特約で排除できませんが、定期借家では特約で排除可能。減額請求の正当性は「土地・建物に対する租税負担の増減」「経済事情の変動」「近傍同種家賃との比較」で判断されます。
- Q. 敷金は法律でどう定義されている?
- A. 2020年4月施行の改正民法で「いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭」と明文化。賃貸借終了後、敷金から債務不履行額を差し引いた残額を返還する義務が明確化されました。
- Q. 連帯保証人の極度額は必須?
- A. 改正民法(2020年4月施行)により、個人が保証人となる根保証契約は極度額を定めなければ無効。賃貸借契約の連帯保証契約に金額上限の明記が必須となりました。家賃債務保証会社の利用率は2010年39%→2021年約80%へ拡大しています。
- Q. 賃借人が修繕してくれるケースは?
- A. 改正民法(2020年4月施行)で賃借人による修繕の規定が新設されました。一定の要件(賃借人が貸主に通知し相当期間内に修繕されない場合等)下で賃借人自ら修繕できる規定です。実務上はDIY型賃貸借契約で初めから借主リフォームを前提にする方が紛争を防げます。
- Q. 原状回復の負担は誰がする?
- A. 通常の住まい方・使い方による損耗や経年劣化は賃借人の負担としません(国土交通省 原状回復ガイドライン・改正民法621条)。故意・過失、善管注意義務違反等による損耗は賃借人の負担。クロスの日焼けやフローリングのへこみは経年変化、タバコのヤニ汚れや子供の落書きは借主負担、というのが一般的な判断です。
- Q. 貸主から契約解除できる場合は?
- A. 普通借家では貸主からの解約申入は解約申入日から6か月経過で終了(借地借家法第27条第1項)。ただし「正当事由」(第28条)が必要。賃料滞納が3か月以上続き催告に応じない場合は契約解除事由として認められやすい傾向ですが、最終的には個別事案で裁判所判断となります。
- Q. サブリース契約を解約したい場合は?
- A. サブリース契約も借地借家法の適用対象で、貸主からの解約には「正当事由」が必要。多くの契約で長期一括借上げ(10〜30年)が定められており、貸主側の事情(自己使用・売却)だけでは解約困難なケースが多いです。サブリース新法(令和2年法律第60号)違反があれば、国土交通省の申出制度から行政指導を求められます。
C. 収支・利回り
- Q. 表面利回りと実質利回りの違いは?
- A. 表面利回り = 年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100 / 実質利回り =(年間家賃 − 年間経費)÷(物件価格 + 取得諸費用)× 100。業界目安として新築アパート実質利回り 2〜5%、築20年以上区分マンション 表面利回り 7.47%(楽待 2025年Q2)、築10年未満一棟アパート全国平均 6.25%(同)。
- Q. 首都圏と地方の利回りの違いは?
- A. 首都圏(一棟)平均 6.38%、全国平均(一棟)7.56%(2025年8月時点)、地方主要都市は9%前後。東京23区では50%超の物件が表面利回り5%未満(出典: HOMES、楽待 2025年Q2)。家賃水準は首都圏が高い反面、物件価格も高いため利回りは低くなる傾向です。
- Q. 築古戸建の想定家賃を知るには?
- A. ①SUUMO・LIFULL HOME'S・アットホームで近隣の同条件物件(築年数・間取り・最寄駅距離)の募集家賃を3-5件調査、②令和5年住宅・土地統計調査 第48-1表の県別平均家賃を参考、③地域の管理会社2-3社にヒアリング、の組み合わせが標準的な調査方法です。
- Q. 経費率はどれくらいを見込むべき?
- A. 築年・構造・規模で異なりますが、業界目安として築浅 20%、築20年級 25%、築30年以上の戸建 30%超。内訳: 管理委託料 5〜10%、固定資産税・都市計画税 5〜10%、修繕費・原状回復費 10%前後、損害保険料 数%。実額は物件次第のため複数年の収支シミュレーションが必要です。
- Q. 管理委託料の相場は?
- A. 賃貸管理委託料は月家賃の3〜5%(業界水準)、上限レンジで3〜10%(出典: HOME4U / 投資家K)。集金・クレーム対応・退去立会・滞納催促などの実務代行料です。サブリースの場合は手取りが家賃の80〜90%(10〜20%が業者取り分)が業界記述。
- Q. 広告料(AD)はいくら必要?
- A. 客付け業者へのインセンティブとして家賃1〜2か月分(法的上限なし・業界慣行)。地域の競争状況・物件競争力で変動します。仲介手数料(家賃1か月分・税別が宅建業法上限)と別枠で発生します。
- Q. 火災保険料はどれくらい?
- A. アパートオーナー火災保険は年間5〜15万円(基本)、特約フル付帯で85〜95万円(出典: HOME4U Owners)。構造区分の保険料順は M構造(RC)< T構造(鉄骨)< H構造(木造)。2024年に火災保険料は全国平均約13%引き上げされています。
- Q. 投資回収期間はどう計算する?
- A. 単純計算: 物件価格 ÷ 年間手残り = 回収年数。例: 物件価格1,000万円、年間家賃60万円、経費20%なら年間手残り48万円 → 回収約20.8年。リフォーム費用も含める場合は分子に加算。実質利回りで計算する場合は物件価格に取得諸費用(仲介手数料・登記費用等)を加算して分母とします。
- Q. リフォーム費用の相場は?
- A. 戸建リフォーム 50〜100万円/坪、マンションリフォーム 40〜80万円/坪(出典: SUUMO)。クロス張替え 量産品 800〜1,200円/㎡、ハイグレード 1,200〜1,800円/㎡。築古戸建を本格賃貸用に再生する場合 100〜500万円が一般的レンジです。
- Q. 築40年戸建の収支シミュレーションは?
- A. 業界目安として、地方郊外 築40年木造戸建(月家賃3〜5万円・年36〜60万円)→ 経費率30%超で年間手残り 25〜42万円。リフォーム費用100〜500万円を初期投資すると回収に5〜15年かかる計算。これは個別物件の収支保証ではなく、複数年の現実的シミュレーションが必要です。
D. 税金・確定申告
- Q. 不動産所得とは?
- A. 土地・建物の貸付け、不動産上の権利の設定および貸付け、船舶・航空機の貸付けによる所得(事業所得・譲渡所得を除く)。計算式は「総収入金額 − 必要経費 = 不動産所得の金額」(国税庁 No.1370)。
- Q. 不動産所得の必要経費に含まれるものは?
- A. 固定資産税・都市計画税、損害保険料(火災・地震)、減価償却費、修繕費、管理委託料、借入金利子(土地取得分は損益通算対象外)、確定申告の税理士報酬、その他不動産収入を得るために直接必要な費用(国税庁 No.1370/No.1391)。
- Q. 損益通算とは?
- A. 不動産所得の赤字を給与所得など他の黒字所得と相殺できる仕組み(国税庁 No.1391)。ただし「土地等を取得するために要した負債の利子に相当する部分」「主として趣味・娯楽目的の不動産損失」「国外中古建物の簡便法減価償却部分(令和3年以後)」は損益通算対象外です。
- Q. 青色申告のメリットは?
- A. 10万円控除(簡易記帳)・55万円控除(複式簿記+貸借対照表)・65万円控除(55万要件+電子申告またはe-Tax)の青色申告特別控除(国税庁 No.2070)。事業的規模なら青色専従者給与の必要経費算入や赤字の3年繰越も可能。白色申告と比べて年単位で数十万円の節税効果になり得ます。
- Q. 5棟10室基準とは?
- A. 貸間・アパート等は独立した室数おおむね10室以上、独立家屋の貸付けはおおむね5棟以上で「事業的規模」と取り扱われます(国税庁 No.1373)。事業的規模なら 65万円青色申告特別控除・取壊し等の損失全額必要経費算入・青色事業専従者給与 が活用可能になります。
- Q. 中古建物の減価償却計算は?
- A. 中古資産の簡便法(国税庁 No.5404)。法定耐用年数の全部経過済 → 法定耐用年数 × 20%。一部経過 →(法定耐用年数 − 経過年数)+(経過年数 × 20%)。1年未満端数切捨、計算結果が2年未満なら2年。例: 築40年木造(法定22年・全部経過)→ 22 × 20% = 4.4年 → 4年。
- Q. 修繕費と資本的支出の境界は?
- A. 1回の修理改良費 20万円未満 または 区分不明確で60万円未満 もしくは 前年末取得価額のおおむね10%以下 → 修繕費(国税庁 No.1379)。物理的付加(避難階段等)・用途変更模様替えは原則資本的支出(減価償却)となります。
- Q. 貸家建付地の評価減はいくら?
- A. 貸家建付地の価額 = 自用地としての価額 ×(1 − 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)(国税庁 No.4614)。借地権割合は路線価図のA〜G記号で確認、借家権割合は全国一律30%。例: 自用地3,000万円・借地権割合70%・賃貸割合100% → 3,000万円 × 0.79 = 2,370万円(630万円減)。
- Q. 貸家の評価減はいくら?
- A. 貸家の価額 = 固定資産税評価額 ×(1 − 借家権割合 × 賃貸割合)(国税庁 No.4602)。例: 固定資産税評価額1,000万円・借家権割合30%・賃貸割合100% → 1,000万円 −(1,000万円 × 30% × 100%)= 700万円(300万円減)。
- Q. 小規模宅地等の特例は使える?
- A. 貸付事業用宅地等として 200㎡まで50%減額(国税庁 No.4124)。要件: 相続開始直前に貸付事業に供されていた + 申告期限まで保有継続 + 申告期限まで貸付事業継続。3年内貸付除外規定(令和3年改正)あり: 相続開始前3年以内に新規開始した貸付は原則対象外(特定貸付事業3年超の被相続人は除外対象外)。
E. 空室・滞納・トラブル
- Q. 全国の入居率は?
- A. 第28回 賃貸住宅市場景況感調査(日管協短観・2024年11月公表)によると、全国 委託管理 94.2% / サブリース 97.0% / 首都圏 委託管理 95.6%。サブリースが委託管理より高いのは、家賃減額により稼働率を上げる仕組みがあるためで、必ずしも収益性の優位を意味しません。
- Q. 全国の家賃滞納率は?
- A. 日管協短観 第28回(2024年11月公表・調査期間2023年4月〜2024年3月)で全国 月末1か月滞納率 1.2% / 月末2か月以上滞納率 0.5%。家賃債務保証会社の利用率は2010年39%→2021年約80%へ拡大しており、滞納リスクは保証会社活用で軽減可能です。
- Q. 家賃債務保証保険の相場は?
- A. 契約時の保証料は月額賃料の50%が一般的(東京共同住宅協会セミナー資料)、更新時は1年ごとに約1万円が一般的。賃借人が滞納した場合に保証会社が代位弁済し、後日賃借人に求償する仕組みです。
- Q. 賃貸トラブルはどこに相談する?
- A. ①住まいるダイヤル(住宅リフォーム・紛争処理支援センター・03-3556-5147)国土交通大臣指定の住宅紛争審査会、②全宅連(全国宅地建物取引業協会連合会)の不動産無料相談、③消費者ホットライン188、④国民生活センター、⑤都道府県の宅建協会。サブリース業者の法令違反は国土交通省「賃貸住宅管理業法に基づく申出制度」へ。
- Q. 賃貸住宅トラブルの全国相談件数は?
- A. 国民生活センター PIO-NET登録によれば、賃貸住宅相談は2022年度12,885件 / 2023年度13,273件 / 2024年度13,277件 と年間1.3万件規模。主要トラブルは敷金・原状回復関連、修繕費負担、ハラスメント・嫌がらせなど。
- Q. サブリースの家賃減額リスクは?
- A. 借地借家法第32条により、サブリース業者からオーナーへの家賃減額請求が法的に可能です。「サブリース契約していた予定賃料の40%減額を迫られた例」など消費者庁注意喚起対象。国交省は2022年に全国179社中106社に是正指導。サブリース新法(令和2年法律第60号)の重要事項説明充足率は約55%(4割超は説明不十分)。
- Q. 退去時の原状回復トラブルを防ぐには?
- A. ①入居前の物件状況を写真・動画で記録し賃借人とも共有、②契約書に特約として原状回復の負担区分を明記、③退去立会で双方確認の上で精算、④国交省ガイドライン(最終改訂 平成23年8月+令和5年3月参考資料)の基本3原則を契約書添付、⑤迷ったら住まいるダイヤルへ相談、が標準的な防止策です。
- Q. 入居審査で見るべきポイントは?
- A. ①過去の家賃滞納履歴の有無、②勤務先・年収・雇用形態(家賃の3倍以上の月収が目安)、③連帯保証人または保証会社の利用、④反社チェック、⑤入居理由の合理性。家賃債務保証会社の審査を通すことで主要リスクの大半をカバーできます。
- Q. 空室期間中も住宅用地特例は使える?
- A. 賃貸住宅として使われている実態がある限り住宅用地特例(固定資産税1/6)は継続します。ただし「居住の用に供するために必要な管理を怠っている場合」「今後人の居住の用に供される見込みがないと認められる場合」は特例除外(平成27年総務省固定資産税課長通知)。特定空家等・管理不全空家等の勧告を受けると除外で固定資産税が約6倍になります。
- Q. 賃料の値下げをいつ判断する?
- A. 業界目安として、募集開始から3か月内見0件・問合せ少数なら値下げ検討の目安。地域の同条件物件の募集家賃水準を再調査し、家賃を5〜10%下げて反応を見るか、フリーレント1か月や敷金礼金ゼロのキャンペーンで初期費用を下げる方法が一般的です。値下げは一度行うと戻しにくい点に注意。
F. 管理・原状回復
- Q. 管理を委託する場合の選び方は?
- A. ①地域の管理戸数・実績、②管理委託料の内訳(家賃集金・クレーム対応・退去立会・滞納催促が含まれているか)、③客付けネットワーク(自社サイトだけかSUUMO・LIFULL HOME'S・アットホーム掲載があるか)、④トラブル対応の24時間体制、⑤契約解除時の引継ぎルール、を比較して2-3社見積比較が標準的です。
- Q. 自主管理は可能?
- A. 可能です。1〜2戸規模で平日対応できる立地なら自主管理で管理委託料5〜10%を節約できます。ただし夜間・休日のクレーム対応、滞納催促、退去立会、原状回復見積、客付け活動 すべて自分で対応する必要があります。遠方の物件や本業がある場合は委託が現実的です。
- Q. 原状回復の通常損耗の範囲は?
- A. 国土交通省ガイドライン(最終改訂 平成23年8月)の例: 家具設置によるカーペットのへこみ・床の日焼け、画鋲程度の小さな穴、テレビ冷蔵庫等の電気焼け、エアコン設置時のビス穴、地震で破損したガラス、鍵の取替、設備機器の故障 等は通常損耗。タバコのヤニ・臭い、結露放置によるカビ、子供の落書き、ペットによる傷 等は借主負担。
- Q. 敷金から差し引ける範囲は?
- A. 賃貸借終了後、敷金から「賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる債務不履行額」を差し引いた残額を返還する義務(改正民法第622条の2)。借主負担となる原状回復費(故意・過失・善管注意義務違反による損耗)と未払家賃が差引対象。通常損耗・経年変化分は差引できません。
- Q. DIY型賃貸借の標準契約書はどこから入手?
- A. 国土交通省 公式ページ(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000046.html )から無償ダウンロード可能。Word形式の契約書式例、ガイドブックPDF、家主向け実務の手引きPDF が掲載されています。最新版は平成30年3月版。
- Q. 賃貸住宅標準契約書の最新版は?
- A. 国土交通省 賃貸住宅標準契約書(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000023.html )の最新版は平成30年3月(令和4年5月に押印欄削除、令和6年12月に死後事務委任特約追加)。標準契約書を雛形として地域の管理会社の修正版を使うのが一般的です。
- Q. セーフティネット住宅の登録方法は?
- A. 都道府県・市区町村の窓口に登録申請。耐震性確認・面積25㎡以上・近傍同種家賃と均衡 の3要件を満たす必要があります。登録後は補助金(改修費・家賃低廉化・家賃債務保証保険料)の対象になる可能性。詳細は国土交通省 セーフティネット住宅情報提供システム(https://safetynet-jutaku.mlit.go.jp/guest/ )で都道府県別に確認。
- Q. 賃貸転用後に売却する場合の注意点は?
- A. ①賃貸中物件はオーナーチェンジで売却可能だが、空室物件より価格が安くなる傾向、②定期借家なら期間満了で確実に空室化できるため売却前提と相性が良い、③譲渡所得税は被相続人の取得日・取得費を引き継ぐ(相続から3年10か月以内なら取得費加算特例も活用可・国税庁 No.3267)、④空き家3000万円特控は「相続から賃貸せず保有していた場合のみ」適用可なので賃貸転用すると失効、の4点。
- Q. 賃貸中に相続が発生した場合は?
- A. 賃貸借契約は相続人が承継します(民法896条)。賃借人への通知・口座変更手続を行い、相続税申告では貸家建付地評価減・貸家評価減・小規模宅地等の特例(200㎡まで50%減)を活用できる可能性があります。複数相続人がいる場合は遺産分割で賃貸不動産の名義を確定させる必要があります。
- Q. 確定申告で必要な書類は?
- A. ①収支内訳書または青色申告決算書、②家賃収入の通帳記録、③固定資産税納税通知書、④火災保険料の支払証明、⑤管理委託料の請求書、⑥修繕費の領収書、⑦借入金がある場合は返済予定表、⑧減価償却資産の取得時の契約書・登記簿。e-Taxで電子申告すれば65万円控除(青色申告)が可能です。
G. 家じまいくん診断・関連リソース
- Q. 賃貸転用が自分の物件に向いているか診断したい
- A. 家じまいくんの「無料診断」(/diagnose)に12問答えると、4選択肢(売却 / 賃貸 / 自己利用 / 解体)の中で最有力の方向性を中立に提示します。さらに「4選択肢手残り簡易比較ツール」(/tools/yondaku-tegata-simu)で売却・賃貸・自己利用・解体の手残り目安を簡易比較できます。
- Q. 他の選択肢との比較記事はある?
- A. ①「相続実家 4選択肢 徹底比較 2026」(/research/sozoku-4-choices-2026)= 4選択肢の中立比較、②「実家じまい費用相場」(/column/jikkajimai-hiyou-souba)= 4選択肢の費用読み物、③「相続不動産 譲渡所得税 完全ガイド 2026」(/research/souzoku-fudosan-jouto-tax-2026)= 売却シナリオの税金詳細、④「空き家解体費用 全国相場 2026」(/research/akiya-kaitai-souba-2026)= 解体シナリオの費用詳細。
- Q. 家じまいくんの他のミニツールは?
- A. 10ツール体制(2026-05-10 完成): ①税制適用判定 ②登記要否判定 ③相続放棄期限判定 ④解体費用計算 ⑤特定空家チェック ⑥残置物処分費用計算 ⑦相続税概算計算 ⑧取得費加算特例計算 ⑨小規模宅地特例適用判定 ⑩4選択肢手残り簡易比較。すべて /tools/ 配下から無料利用可能。
- Q. 全国の地域別データはある?
- A. 286エリア体制(2026-05-13 完成): 47都道府県 + 主要市区町村単位の地域別空き家・相続不動産データを /area/* から閲覧可能。例: 東京都/世田谷区、大阪府/北区、神奈川県/横浜市鶴見区 等。各エリアページから本記事の都道府県別データへの内部リンクあり。
- Q. 本リサーチの数値はいつまで信頼できる?
- A. 47県別 賃貸用空き家戸数・平均家賃は総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査(基準日 2023年10月1日・確報集計2024年9月25日公表)。次回調査は5年後(令和10年/2028年予定)まで更新されません。利回り・滞納率・入居率は四半期〜年次更新の業界統計。サブリース新法・原状回復ガイドライン・国税庁タックスアンサーは本ページ末尾の確認日2026-05-14時点のもので、利用前に各公式URLで最新版確認を推奨します。
13. 出典一覧(2026-05-14 確認)
一次(公的統計・法令)
- 総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査: https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/tyousake.html
- e-Stat 令和5年住宅・土地統計調査ファイル: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tstat=000001207800
- e-Gov 借地借家法: https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000090
- 国土交通省 賃貸住宅標準契約書: https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000023.html
- 国土交通省 DIY型賃貸借ガイドブック: https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000046.html
- 国土交通省 住宅セーフティネット制度: https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000055.html
- セーフティネット住宅情報提供システム: https://safetynet-jutaku.mlit.go.jp/guest/
- 国土交通省 賃貸住宅管理業法ポータル: https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/pm_portal/sublease.html
- 国土交通省 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン: https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html
国税庁 タックスアンサー(賃貸所得・相続税評価減)
- No.1370 不動産所得: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1370.htm
- No.1391 不動産所得が赤字のときの他の所得との通算: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1391.htm
- No.2070 青色申告制度: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm
- No.1373 事業としての不動産貸付け(5棟10室基準): https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1373.htm
- No.1379 修繕費とならないもの: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1379.htm
- No.5404 中古資産の耐用年数(簡便法): https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5404_qa.htm
- No.4614 貸家建付地の評価: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hyoka/4614.htm
- No.4602 土地家屋の評価(貸家評価): https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4602_qa.htm
- No.4124 小規模宅地等の特例: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm
- No.6225 住宅の貸付け(消費税非課税): https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6225.htm
業界統計(協会・業界紙)
- 日本賃貸住宅管理協会 市場データ: https://www.jpm.jp/marketdata/
- 第28回 日管協短観 お知らせ: https://www.jpm.jp/topics/75739
- HOMES 不動産投資の平均利回り: https://toushi.homes.co.jp/column/research/regional_market/market20/
- LIFULL HOME'S Business 都道府県別空き家率記事: https://biz.homes.jp/column/topics-00124
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本リサーチは 2026-05-14 時点の制度・業界目安に基づきます。実額は物件条件・地域・契約類型・年度予算で変動するため、必ず複数管理会社の現地見積と該当自治体の最新公式情報、および税理士・弁護士・宅建士などの有資格者にご相談ください。本記事は法的・税務的助言を目的としたものではありません。