家じまいくん

葬儀から30日 実家じまい アクションプラン|葬儀後すぐ動くべき5ステップを期限順に解説

葬儀が終わった直後から30日以内に動くべき5ステップを期限順に整理。死亡届7日以内・健康保険14日以内・口座凍結確認・遺言書検認・相続放棄判断3か月以内まで、戸籍法・国民健康保険法・民法915条・1004条の一次情報で解説。30日以降の準確定申告4か月・相続税10か月・相続登記3年の見通しも併記。

葬儀が終わり、家に帰って数日。少し落ち着いてきたところで、ご遺族の頭に必ず浮かぶのが「実家、これからどうしよう。何から手をつければいいんだろう」という不安です。

相続の手続きは、実は葬儀の直後から30日のあいだに動かなければならないものが驚くほど多くあります。死亡届は7日以内。健康保険・年金の停止は14日以内。相続放棄を検討するなら3か月以内。これらを見落とすと、最大10万円以下の過料、借金もまるごと引き継ぐリスク、本来3,000万円控除できたはずの税金がそのまま課税される事態——金額にして数百万円規模の損失につながります。

この記事では、葬儀後30日に焦点を当て、「いつ・何を・どこで」やればよいかを5ステップで整理しました。各手続きは戸籍法・民法・国民健康保険法・国民年金法などの一次情報を出典URL付きで示しています。30日以降に控える準確定申告(4か月)・相続税申告(10か月)・相続登記(3年)の見通しもあわせて掲載しています。

【30秒結論】葬儀から30日で揃える5つの行動

詳細に入る前に、まず30日のアクションを箇条書きで把握してください。

  • Day 1〜7:第1ステップ|死亡届・火葬埋葬許可の確定(戸籍法86条/墓地埋葬法)
  • Day 7〜14:第2ステップ|健康保険・年金の停止(国民健康保険法/国民年金法、葬祭費・埋葬料の請求もこのタイミング)
  • Day 7〜30:第3ステップ|預金口座・保険・公共料金の名義確認(金融機関の口座凍結対応)
  • Day 14〜30:第4ステップ|遺言書の有無確認と検認手続き(民法1004条、検認前に開封すると5万円以下の過料)
  • Day 14〜30:第5ステップ|相続放棄の要否判断(民法915条、3か月以内、財産処分で単純承認とみなされるリスク)

30日が過ぎると、すぐに準確定申告(4か月)・相続税申告(10か月)・相続登記(3年)の中長期期限が次々に到来します。30日のアクションは、その後3年までを破綻なく走り切るための前段整備にあたります。

期限の全体マップ — 葬儀後3年までを一枚に

葬儀後の手続きを、期限順に一枚で俯瞰します。

期限 手続き 主な相談先
7日以内 死亡届・火葬許可申請 市区町村役場・葬儀社
10日以内(厚生年金)/14日以内(国民年金) 受給権者死亡届 年金事務所
14日以内 国民健康保険・後期高齢者医療の資格喪失届 市区町村役場
死亡後すぐ〜30日目安 預金口座・各種保険・公共料金の名義確認 各金融機関・保険会社・電力ガス水道
遺言書発見時すぐ 自筆証書遺言の検認申立て 家庭裁判所
3か月以内 相続放棄・限定承認の申述 家庭裁判所・司法書士・弁護士
4か月以内 準確定申告 税務署・税理士
10か月以内 相続税の申告・納付 税務署・税理士
3年以内 相続登記(2024年4月義務化) 法務局・司法書士

※ 上記は被相続人が日本国内に住所を有する個人で、原則的なケースを想定しています。海外居住者・事業承継・特殊な財産(株式・連帯保証・暗号資産など)が絡む場合は、早めに有資格者に相談してください。

期限を過ぎた場合のリスクは大きく3つです。

  • 相続放棄を3か月で判断しないと、借金もすべて引き継ぐ「単純承認」とみなされる可能性があります(民法921条)
  • 相続税申告10か月を過ぎると、加算税・延滞税が課されます(国税庁)
  • 相続登記3年を正当な理由なく超えると、10万円以下の過料が科される場合があります(不動産登記法76条の2)

それでは、葬儀直後の30日に絞って、Day別に解説します。

第1ステップ【Day 1〜7】死亡届と火葬埋葬許可

最初の手続きは、医師から受け取った死亡診断書を添えて、市区町村役場に死亡届を提出することです(戸籍法86条)。

  • 提出先:被相続人の本籍地・死亡地・届出人の所在地のいずれかの市区町村役場
  • 期限:死亡を知った日から7日以内
  • 同時に行うこと:火葬許可申請。許可証が出ないと火葬・埋葬ができません(墓地、埋葬等に関する法律 5条)

この段階の手続きは、ほとんどの場合は葬儀社が代行してくれます。葬儀の段取りに追われがちな時期なので、葬儀社にどこまで任せられるか早めに確認してください。

ここで30日後を見据えて1点だけやっておくと楽になるのが、死亡診断書のコピーを5〜10枚取っておくことです。後の年金停止、保険金請求、口座解約、相続税申告で「死亡を証する書類」を繰り返し求められます。原本は1枚しか発行されないので、最初に複数枚コピーを取っておくと、その都度原本を取り直す手間が省けます。

第1ステップを終えた時点で、葬儀後の動きの**起点となる「死亡日」**が公的に確定します。これ以降の期限(7日・14日・3か月・4か月・10か月・3年)は、すべてこの死亡日(厳密には「相続の開始があったことを知った日」)が起算日となります。

第2ステップ【Day 7〜14】健康保険と年金の停止

亡くなった方の健康保険と年金は、放っておくと過誤払いが発生して、後で返還を求められることがあります。早めに止めるのが鉄則です。

健康保険の資格喪失届(14日以内)

  • 国民健康保険・後期高齢者医療:死亡日から14日以内に資格喪失届を市区町村役場へ
  • 協会けんぽ・健保組合(在職中の方):5日以内に勤務先経由で資格喪失届

国民健康保険・後期高齢者医療の場合は、被保険者証を返納し、世帯主が変更になる場合は世帯主変更届も併せて提出します。

年金の停止(厚生年金10日以内・国民年金14日以内)

  • 厚生年金:死亡日から10日以内に「受給権者死亡届」を年金事務所へ
  • 国民年金:死亡日から14日以内に同様の届出(国民年金法 105条)

日本年金機構の「身近な方が亡くなったとき」案内ページに、必要書類・提出先・郵送可否がまとまっています。マイナンバーが日本年金機構に収録されている場合は、死亡届の提出を省略できるケースもあるので、まずこのページを確認してください。

葬祭費・埋葬料の請求(時効2年)

健康保険から、葬儀を行った人に対して給付が出ます。請求し忘れがちな埋もれた給付です。

  • 国民健康保険・後期高齢者医療:葬祭費(3〜7万円程度、自治体によって異なる)
  • 協会けんぽ・健保組合:埋葬料(5万円)または埋葬費(実費・上限5万円)

時効は葬儀から2年です(健康保険法193条等)。30日の動きの中で、健康保険資格喪失届と同じ窓口で同時に請求しておくと取りこぼしません。

第3ステップ【Day 7〜30】預金口座・保険・公共料金の名義確認

葬儀から1週間ほど経つと、銀行や保険会社から「亡くなった旨を伝えてほしい」というケースが出てきます。同時に、ご遺族側でも家計のメンテナンスとして以下を確認していく時期です。

預金口座 — 連絡すると凍結される

金融機関は、預金者の死亡を知った時点で口座を凍結します。凍結後は、原則として相続人全員の合意がないと引き出しができなくなります。

  • メリット:勝手に引き出されるリスクが消える、後の遺産分割で残高が確定する
  • デメリット:当面の生活費・葬儀費用が一時的に引き出せない

2019年7月施行の改正民法により、**遺産分割前でも一定額(預金額×1/3×法定相続分、ただし1金融機関150万円が上限)を仮払いできる「預貯金の払戻し制度」**が設けられました(民法909条の2)。葬儀費用や当面の生活費を払う必要があれば、金融機関の窓口でこの制度を確認してください。

生命保険 — 受取人が個別請求

被相続人が契約者・被保険者になっていた生命保険は、受取人が直接保険会社に請求します。受取人固有の財産扱いで、遺産分割協議の対象外になることが多いため、早めに保険証券を探して請求手続きに入ってください。請求の時効は通常3年です。

公共料金・通信費・サブスクリプション

電気・ガス・水道・固定電話・携帯電話・インターネット・サブスクサービスなどは、契約者変更または解約が必要です。引き落とし口座が凍結されると、料金未払いで止められてしまうので、Day 14〜30の間に名義変更まで進めるのが安全です。

クレジットカードと自動引き落とし

カード会社に死亡を連絡するとカードは利用停止になります。カード払いにしているサブスクや会費の引き落としが止まるので、何に使っていたかをカード明細から拾い出して、必要なものは引き落とし口座を変更します。

ここまでが、葬儀後30日のお金まわりのメンテナンスです。次の第4・第5ステップは、相続そのものの判断につながる重要なフェーズです。

第4ステップ【Day 14〜30】遺言書の有無確認と検認

相続人を確定する前に、遺言書がないか必ず確認します。遺言書の有無で、その後の遺産分割の進め方が大きく変わります。

まずは自宅と銀行貸金庫を捜索

以下の場所を順に確認してください。

  1. 自宅の仏壇・金庫・本棚・タンスの引き出し
  2. 銀行の貸金庫(被相続人名義の貸金庫があれば、開扉に相続人全員の立会または家裁の手続きが必要なことがあります)
  3. 顧問の弁護士・税理士・司法書士事務所
  4. 法務局の自筆証書遺言書保管制度(2020年7月開始)に保管されていないか
  5. 最寄りの公証役場(公正証書遺言の検索照会・全国の公証役場で照会可能)

検認が必要なケース・不要なケース

遺言書の種類 家庭裁判所の検認 備考
自筆証書遺言(自宅・銀行貸金庫などで保管) 必要(民法1004条) 開封せずに家裁へ
自筆証書遺言(法務局の保管制度を使ったもの) 不要 法務省の保管制度で確認可能
公正証書遺言 不要 最寄りの公証役場で全国検索可能
秘密証書遺言 必要 利用例は少ない

検認前に開封すると過料

検認前に自筆証書遺言を開封すると、5万円以下の過料が科されることがあります(民法1005条)。自宅などで遺言書を見つけても、その場で開けずに家庭裁判所へ持参してください。

検認の申立先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。手続きの流れと必要書類は裁判所「遺言書の検認」にまとまっています。申立てから検認期日までは1〜2か月かかるのが一般的なので、遺言書を発見したら即座に申立てをするのが安全です。

検認は遺言書の有効・無効を判定するものではなく、「現在この内容・状態で存在することを確認する」手続きです。検認を経ていない自筆証書遺言は、預金の解約や登記申請で受け付けてもらえません。

第5ステップ【Day 14〜30】相続放棄の判断(3か月以内)

葬儀後30日で最も重要な判断が、相続放棄をするかどうかです。

期限は「知った時から3か月」

相続放棄をするかどうかは、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に決めなければなりません(民法915条)。

  • 提出先:被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
  • 手続き:「相続放棄の申述」を行う(裁判所「相続の放棄の申述」
  • 費用:収入印紙800円+郵券(数千円)

3か月は意外と短く、戸籍収集・財産調査・家裁書類作成だけで1〜2か月かかります。Day 30 までに「やる/やらない」の方向性を固めることが、結果として3か月期限を守る現実的な動き方になります。

相続放棄を検討すべき主なケース

  • 借金や連帯保証が多い:実家の価値以上の負債がある
  • 不動産に重大な瑕疵がある:再建築不可、土壌汚染、共有名義のトラブルなど
  • 遠方で管理できず、固定資産税だけが続く
  • 長年疎遠で被相続人の財産状況がまったくわからない

単純承認とみなされる行為に注意

注意したいのは、相続財産を一部でも処分(売却・解約・廃棄)すると「単純承認」とみなされ、相続放棄ができなくなる可能性があることです(民法921条)。

  • 預金を引き出して使う(葬儀費用への充当は単純承認に当たらないとする判例あり、ただし金額・使途で判断が分かれます)
  • 家財道具を売却・廃棄する
  • 形見分けで高価な物品を引き取る
  • 不動産の名義変更を進める
  • 賃借権・株式の名義変更を進める

放棄を検討しているうちは、家財の片付けや預金の引き出しは止めるのが安全です。判断に迷うケースは多いので、Day 14〜30 のあいだに司法書士か弁護士に一度相談することを強くおすすめします。

相続放棄しても管理義務は残る場合がある

2023年4月施行の民法940条改正で、相続放棄後の管理義務は限定されました。ただし、「現に占有」している場合は、次の相続人または相続財産清算人に引き渡すまで保存義務が残ります。完全に責任が消えるわけではない点に注意してください。

詳しい判断軸は、当サイトの相続放棄の判断基準と落とし穴でも整理しています。

30日以降の見通し — 準確定申告・相続税・相続登記

葬儀後30日のアクションを終えたら、次に控えるのが中長期の3つの期限です。30日のうちに、次の期限を意識した段取りまで考えておくと、4か月以降が楽になります。

4か月以内:準確定申告

被相続人がその年の1月1日から死亡日までに得た所得は、相続人が代わりに確定申告(準確定申告)する必要があります(国税庁 タックスアンサー No.2022)。

  • 期限:相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内
  • 提出先:被相続人の住所地を管轄する税務署
  • 対象:事業所得・不動産所得・年金所得(公的年金等400万円超)・給与所得(2000万円超)等

死亡後に支給期が到来する給与・賞与・退職金については、別途国税庁 タックスアンサー No.2024で扱いが整理されています。

10か月以内:相続税の申告・納付

相続税は、相続開始を知った日の翌日から10か月以内に申告・納付します(国税庁 タックスアンサー No.4205)。

まず基礎控除を確認

すべての相続で相続税がかかるわけではありません。次の基礎控除を超えなければ申告不要です。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

たとえば法定相続人が配偶者と子2人の合計3人なら、基礎控除は4,800万円。遺産総額(プラスの財産−マイナスの財産)がこれを下回れば、相続税の申告も納税も不要です。

基礎控除を超える見込みがある場合は、Day 30 までに税理士へ初回相談しておくことを強く推奨します。小規模宅地等の特例で居住用宅地の評価額が最大80%減になる可能性があり、適用要件は判定が複雑で、相続人の住み方・生計同一性・申告期限内の事情で結果が大きく変わるためです。

3年以内:相続登記(2024年4月義務化)

2024年4月1日から、相続登記が法律上の義務になりました(不動産登記法76条の2、法務省「相続登記の申請が義務化されました」)。

  • 期限:不動産を取得したことを知った日から3年以内
  • 遡及適用:施行日(2024年4月1日)より前に発生した相続にも適用。経過措置として、施行日または不動産取得を知った日のいずれか遅い日から3年以内に申請が必要
  • 正当な理由なく怠った場合10万円以下の過料が科されることがあります

3年と聞くと余裕に感じますが、戸籍収集・遺産分割協議・必要書類の収集だけで6か月〜1年かかるのが普通です。Day 30 のうちに、戸籍収集に着手しておくと後が楽です。

葬儀後30日で「やってはいけない」3つのこと

最後に、葬儀直後の30日で避けるべき行動を3つだけ挙げます。

1. 相続放棄の可能性があるうちに財産を処分する

預金引き出し・家財廃棄・不動産名義変更は、単純承認とみなされて相続放棄ができなくなる可能性があります(民法921条)。実家の片付けは、相続の方針が固まってから動いてください。

2. 自筆証書遺言を勝手に開封する

検認前に開封すると5万円以下の過料(民法1005条)。たとえ封筒に「家族へ」と書かれていても、家裁で検認を受けてから開封します。

3. 死亡を知らせずに口座から引き出す

金融機関に死亡を知らせる前に大口の引き出しを行うと、後に他の相続人から異議を受けたり、税務調査で「名義預金」「贈与」と認定されたりするリスクがあります。葬儀費用に必要な範囲を超える引き出しは、相続人全員で合意してから動いてください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 葬儀から30日以内に絶対やるべき手続きは何ですか?

死亡届(7日以内)・健康保険資格喪失届(14日以内)・年金停止(厚生年金10日以内/国民年金14日以内)の3つは法律で期限が定められた絶対要件です。これらを過ぎると過誤払いの返還や手続きの煩雑化を招きます。加えて、預金口座・保険・公共料金の名義整理、遺言書の有無確認、相続放棄の方向性検討までを30日のうちに進めるのが現実的な目安です。

Q2. 死亡診断書のコピーは何枚くらい必要ですか?

5〜10枚を目安に取っておくのが安全です。年金停止、生命保険請求、預金解約、不動産名義変更、相続税申告など、複数の手続きで「死亡を証する書類」を求められます。原本は1枚しか発行されないので、最初に複数枚コピーしておくと、その都度取り直す手間が省けます。

Q3. 預金口座はいつ凍結されますか?

金融機関が預金者の死亡を知った時点で凍結されます。新聞のお悔やみ欄・取引先からの連絡・遺族からの申告など、知るきっかけはさまざまです。葬儀費用や当面の生活費が必要な場合は、改正民法(909条の2)の預貯金の払戻し制度で、遺産分割前でも一定額(預金額×1/3×法定相続分、1金融機関150万円上限)を仮払いできます。

Q4. 遺言書を見つけたら、すぐ開けて中身を確認してもいいですか?

いいえ、自筆証書遺言は開封せずに家庭裁判所へ持参してください(民法1004条)。検認前に開封すると5万円以下の過料が科されることがあります(民法1005条)。法務局の自筆証書遺言書保管制度で保管されていた遺言書、公正証書遺言は検認不要です。

Q5. 相続放棄を検討する場合、葬儀費用は出してもいいですか?

葬儀費用への充当は単純承認に当たらないとする判例がありますが、金額・使途で判断が分かれます。身分相応の葬儀費用に限り、被相続人の預金から出すことは比較的安全とされていますが、相続放棄を検討しているなら、念のため事前に司法書士・弁護士に確認してください。

Q6. 葬祭費・埋葬料はどこに請求すればいいですか?

国民健康保険・後期高齢者医療の場合は市区町村役場へ(葬祭費3〜7万円程度)。協会けんぽ・健保組合の場合は勤務先または健康保険組合へ(埋葬料5万円)。請求の時効は2年です。健康保険資格喪失届と同じ窓口で同時に請求すると取りこぼしません。

Q7. 相続人の確定はいつから始めればいいですか?

Day 14〜30の間に着手するのが理想です。被相続人の出生から死亡までの全戸籍を本籍地の市区町村役場で取り寄せる必要があり、本籍地を複数移動している場合は3週間〜2か月かかることもあります。2017年5月から始まった法定相続情報証明制度(法務省)を利用すると、最初に戸籍一式を法務局に持ち込んで「法定相続情報一覧図」を発行してもらえば、その後の銀行・登記・税申告で何度も戸籍を出さずに済みます。

Q8. 兄弟が遠方で連絡が取りにくい場合、30日以内に何をすべきですか?

少なくとも**「亡くなったこと」「相続人として連絡している趣旨」を文書(メール・LINE・郵便)で残す**形で伝えてください。後の遺産分割協議では全相続人の合意が必要で、連絡を取らずに進めると後から異議が出るリスクがあります。連絡が取れない・所在不明の場合は、3か月以内に家庭裁判所への手続き(不在者財産管理人選任など)も視野に入る可能性があるので、Day 30 までに弁護士・司法書士に相談してください。

Q9. 30日を過ぎてしまった場合、もう間に合いませんか?

手続きごとに違います。死亡届・健康保険・年金の期限超過は届出を遅滞理由とともに行えば受理されることが多いですが、過誤払いの返還を求められることがあります。相続放棄3か月は超過すると原則として単純承認とみなされますが、「相続財産の存在を知らなかった」等の事情がある場合は熟慮期間の起算点を後ろにずらす主張が認められる余地があります。期限を過ぎたら、まず司法書士・弁護士に相談してください。

Q10. 30日以内に家じまいくんを使うタイミングはいつですか?

Day 7〜14のあたりが理想です。健康保険・年金の停止を終えて少し落ち着いた段階で、「実家をどうするか(売る・貸す・住む・壊す)」の方向性を整理しておくと、Day 14〜30 の相続放棄判断・遺産分割の議論で家族間の意思疎通がスムーズになります。家じまいくんは12問5分の入力で4選択肢を横並び比較し、期限ある税制特例(3,000万円特別控除など)の見落としもチェックします。

Q11. 相続放棄しても実家の管理責任は完全に消えますか?

2023年4月施行の民法940条改正で管理義務は限定されましたが、相続放棄時点で「現に占有」している場合は、次の相続人または相続財産清算人に引き渡すまで保存義務が残ります。実家の鍵を持っていて出入りしている、固定資産税納税通知書を受け取り続けている等の事情があると、完全に責任が消えるわけではない点に注意してください。詳細は相続放棄の判断基準と落とし穴で整理しています。

まとめ — 葬儀後30日は「次の3年」の前段整備

葬儀直後の30日は、ご遺族にとって心身ともに最も負担が大きい時期です。それでも、ここで動かなければならない手続きが集中していて、見落としの代償は大きい——それが相続手続きの現実です。

あらためて、葬儀から30日のアクションを期限順に並べ直すと次のとおりです。

  1. Day 1〜7:死亡届・火葬埋葬許可(戸籍法86条/墓地埋葬法)
  2. Day 7〜14:健康保険資格喪失届(14日以内)・年金停止(厚生年金10日/国民年金14日)・葬祭費埋葬料請求
  3. Day 7〜30:預金口座・生命保険・公共料金・カードの名義整理
  4. Day 14〜30:遺言書の有無確認・検認申立て(民法1004条・1005条)
  5. Day 14〜30:相続放棄の方向性検討(民法915条・3か月以内・財産処分で単純承認リスク)

そして、Day 30 を境に控えるのが**準確定申告(4か月)・相続税(10か月)・相続登記(3年)**の中長期期限です。葬儀後30日の動きは、その後3年を破綻なく走り切るための前段整備にあたります。

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本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、 税務・法務・不動産取引に関する個別具体的な助言を行うものではありません。 個別のご事情に応じた判断は、税理士・司法書士・弁護士・宅地建物取引士等の有資格者にご相談ください。 また、法令・通達は本記事公開後に改正される可能性があります。最新情報は各官公庁のWebサイトをご確認ください。

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